情報発信

防衛省・自衛隊が持つ小型ドローン対処機材について関係省庁向けの説明を行うための準備として、業者に依頼して防衛省敷地内で飛行テストをしていたところ、強風のため操縦不能になり行方を見失ったという(ITMediaニュースより)。本件の報に接して、疑問に感じたことは以下の3点。
1.なぜ強風の中で飛ばしたのか
2.なぜ業者(ドローンのプロ)が操縦不能に陥って機体を見失ったのか
3.ゴーホーム機能は使われなかったのか

1については良識ある業者であれば、事前に地上での風速を計測して、規定値に対してどうなのか判断するはず。私はiPhoneのジャックに挿すタイプの簡易風力計を使っている。本件の当時は現地に強風注意報が出ていたという。しかも使っていた機体はDJIのPhantom2。1kg程度の小型の部類に入る機体であり、軽量な分風には強くはない。ポジショニングのためのセンサーを追加したPhantom3であれば、少しマシだったかもしれない。ただ、ここでは機材うんぬんよりは心理的なものが強く影響していたかもしれない。防衛省から依頼されて、テストのために多くの人が集まった前で、「風が基準値を超えているので飛ばせません」とはなかなか言えないだろう。私も社内テストやプレゼンで、本来なら控えるべき状況下でフライトさせてしまった経験がある。

2については強風で流されることはあっても、基本的にGPSによるポジショニングが効くはず。それが流されたということで考えられることは2つ。1つは焦って手元に戻そうとして余計に遠ざかる、というようなことを繰り返してしまったのではないか。2つ目は都心でのフライトだったため、多数飛び交うWi-Fi等の電波の中で混信、もしくは強い電磁波を受けてコンパスの不具合が起きてしまったのではないか。ことの2つから考えられるのは、依頼された業者は都心部の業者で、規制によってフライト経験が少なく、さらに都心部という環境(普段は飛ばせない)が初めてだった可能性がある。センサーを使ったポジショニングに頼れない状況下では、ATTIというGPSを使用しないモードか、センサー類を使用しないマニュアルモードでフライトさせるという手がある。非常時には有効だが、普段から練習しておかなければトラブルになった状況でいきなりこれらの操作を行うと、余計に状況を悪化させる恐れがある。

3は送信電波がなんらかの条件で遮断された時に発動されるもので、機体が発進した元の位置に戻ってくるというもの。風に流されたとは言え、この機能を使えば機体はどうにかして元の位置に戻ろうとするものだ。これが使えかなった(使われなかった)のは、上空で突風に煽られてもはやセンサーでは制御できない姿勢(90度以上の角度か?)になってしまったのかもしれない。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。