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角川アスキー総合研究所主催の「関西ドローン会議2015」に参加してきた。会場はグランフロント大阪のナレッジシアター。そう言えば以前に東京でも同研究所主催の「ドローンナイト」というイベントに参加した。関東と関西で内容と客層にどれくらいの温度差があるのか、関心があった。ドローンナイトがアフター5に開催されて会場満員の盛況だったのに対して、ドローン会議は平日の午後の開催となり、ナレッジシアターが広い空間だったこともあって、ややまばらな人の入りといった印象。しかし、内容は東京以上に深く、実のあるものだったように思う。

1つ目の講演は三井物産戦略研究所の矢野誠二氏
ドローンを取り巻く状況を俯瞰した上で、氏が最も可能性が高いと考えている物流分野での考察を展開された。そして今後のドローンには、スマートフォンのように人とともに行動し「共生する」ことが期待される、とのこと。

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2番手はアミューズワンセルフの冨井隆春氏。
最新のPreziを使ったプレゼンが見た目だけでなく、1スクリーンごとのメッセージがシンプルで明確で見事だった。それよりもスゴいと思ったのはその中身で、測量から始まった同社は、今ではオリジナルの機体と3D計測装置を開発し、国内の様々な被災地で要請を受けて利用しているという。
国内のドローンメーカーで最先端の現場で利用されているのは千葉大の自律研かエンルートのものくらいと思っていただけに、関西にこれだけのメーカーがあるとは正直驚かされた。

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会場入り口に展示されていた、同社のドローン。全天候型で風速18m/sの環境下でも仕事をこなすという。

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同社のドローンは電源や制御機構、回転系にまで冗長性をもたせた上で、50分程度のフライト時間を達成する。これは産業用ドローンとして当然のことで、安価に出回っているものとは基準が違うのだ、というような説明をされていた。

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3番手は日本マルチコプター安全推進協会の上田直生氏。
位置情報業界のフロントランナーでもある同氏は、同協会の理事長を務められ、ドローンの安全運用を啓発されている。発表されたことはいずれも当たり前のことのようだが、それらを遵守できる人材を増やし認定していく機関はこれからドローンの発展には欠かせないものになるだろうと感じた。

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ファイナルパートは主催社の遠藤愉氏のファシリテートによるパネルディスカッション。
予めパネラーに提示されていた質問に対する回答を共有しながら議論を進めていった。

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中でも一番気になったのは、「日本のドローンメーカーに勝機はあるか?」という質問に対して、素晴らしい性能のドローンを開発し運用されている冨井氏が「規制が厳しくて無理」と答えられていたことだ。実際に大阪では飛ばすところはないし、特区だけでは無理だという。これは私も身にしみて感じていることで、机上の議論だけでは新しい使い方のアイデアも生まれてこないし、「ドローンは飛ばしてなんぼ」だと思っている。

終了後はいろいろな団体や組織の方と挨拶を交わした。非常に有意義だったが、関西としてはこういう場にもっと多くの人に参加して欲しいと感じたし、スーツを着たオッサンばかりでなく若いエンジニアや起業家たちがわんさかきてくれるようであって欲しいと思った。次回の開催を楽しみにしている。

コメント

    • 冨井 隆春
    • 2015年 11月 03日

    関西ドローン会議にきて下さり、ありがとうございました。朝にできたばかりのプレゼンだったので、わざわざきて下さった方に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、少しホッとした気分になりました。
    今後とも宜しくお願いいたします m(_ _)m

      • zuzie
      • 2015年 11月 03日

      冨井様。コメントありがとうございます。当日はご挨拶するタイミングを逸してしまいました。プレゼンは今まで見たドローン関連のものの中で一番興味深くかつ洗練されていたように思います。また私は冨井さんが言われていたような、冗長性がなかったり、基盤むき出しだったり、例の雑誌組み立ての機体を所有しているものでお恥ずかしい限りでした。関西に御社のような会社があることを知って嬉しい半面、ご活躍の分野ではどうあがいてもかなわないなと打ちのめされました。御社の機体とご活動に非常に興味を持ちましたので、フォローさせて頂きます。今後とも宜しくお願いいたします。

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